敷地に余裕がなければ、別棟を建築することもないでしょうが、物置ぐらいなら建てることもあります。一口に物置といっても、市販されている小さなものから、基礎からつくる本格的なものまで多種多様です。家相上では、畳一枚程度の小さな物置は、どの方位に置いても問題はありません。ただし、住宅にくっつけて建てずに、離して設置する方法が無難です。基礎からつくる本格的な物置は、家の中心から見て北東の表鬼門と南西の裏鬼門には設置せず、北西方位や東南方位に置くことがベスト。この点は、別棟も同じだ。物置も別棟も、北西方位か東南方位に建てることが望ましです。家相上では、建物の形は「構え」といって、家の価値を決める大切なポイント。別棟や物置を母屋にくっつけて建てたり、すぐそばに建てると、この構えが悪くなります。これは、北西方位でも東南方位でも同じだから注意してほしいです。基本的には、母屋と離して建てることが無難です。物置や別棟を建てるときは、母屋から1問半(約270センチ)は離してほしいです。これだけ離して建てれば無難になります。別棟を、母屋とつなげて使いたいケースもありますが、だからといって、後から増築して、母屋にくっつけ て建築すると、建物の構えが悪くなり、家相上、凶相になります。こんなときには、渡り廊下でつなげばよい。渡り廊下の幅を一間以内、距離は一間半以上とり、母屋と屋根を別々にすること。この方法でつなげば、家相上、無難と判断できます。学校や病院、老人福祉施設などの大きな建物は、別棟のつなぎ方も、住宅とは違って考えられます。住宅よりも、幅の広い渡り廊ドでつなぐことも可能です。 また、これらの建物は、発展すれば建物も増えるので住宅と同じに考えることはできません。この場合は、敷地の中心に主たる建物を置き、北西と東南に建物を伸ばすことが基本。
以前からのつきあいになりますが、甲子園で全国優勝したこともある沖縄の高校は、北西に体育館を建て、東南にも校舎を伸ばしています。家相の考えに適した増築を実践されています。そのほかにも、いくつかのポイントがありますが、住宅とは違う考えをします。詳しく知りたい方は、私の事務所へお問い合わせ下さい。また、敷地に母屋だけが建っているときは問題はないのに、倉庫や車庫、別棟などを次々に建て、家相を悪くしていることがあります。増築すると、ほとんどのケースで家相が悪くなります。こんなケースでは、母屋だけのときは事業は好調だが、別棟を建てたことがきっかけで家相が悪くなり、結果的に事業も傾いてしまうことが多いです。別棟や物置で建物の構えを悪くすると、仕事や会社の勢いがなくなってしまう。 別棟や物置を建てるときは、北西方位か東南方位に建てる事が無難。この場合でも、母屋と離して建てて頂きたい。
家相建築設計事務 佐藤秀海