建物の内部では、トイレや浴室などが不浄物になるが、家の外まわりでは、汚水管や浄化槽の方位が問題になります。汚水管や浄化槽も不浄物と同様に扱ってほしいです。汚水管の注意点は、玄関前を横切らせないこと。門から玄関へ向かうときに、汚水管の上を歩いて通ることは凶相です。建物の下部を通すことも危険。汚水管は最短距離で外に出し、玄関前を横切らせずに配管することが絶対に必要です。以前の家相では、「汚水管を鬼門方位にまわしてはいけない」とする考えもあったが、玄関前を通さなければ問題はありません。とにかく、汚水管は玄関前を通さず、床下を通さないことが一番のポイントなのです。
汚水管の「汚水」とは、トイレからの排水を指しています。浴室やキッチンの排水は「雑排水」といって、建築上でも区分されています。家相上でも、汚水の方が危険で、雑排水の危険度は、汚水と比べて小さいと考えてよいでしょう。しかし、雑排水も、汚水管と同様、玄関前を横切らせないことが基本ですが、どうしてもというときは、次のことを覚えていてほしいです。玄関ポーチからできるだけ遠ざけて配管するか、玄関と門扉の間ではなく、門の外側に配管することです。雨水を流す雨水管や上水道管に関しては、家相上の心配はないので、玄関前を通しても心配ありません。トイレの汚水と浴室やキッチンからの雑排水を考慮す ればいいです。
浄化槽については、今までいろんなケースに出会 ってきました。一番ひどかったのは、テレビ取材で訪れたお宅で、玄関ポーチの下に浄化槽が埋められていたケース。最悪の凶相です。これは論外にしても、浄化槽を危険な方位に埋設してあることが多くあります。建物の外にあるし、地中に埋めてしまうので、チェックからはずれてしまうのかもしれません。必ず危険な方位を避けて配置してほしいと思います。家相上、浄化槽の危険な方位は、家の中心から見て北東の表鬼門と南西の裏鬼門方位、家族の十二支方位です。無難な方位は、東方位、東南方位と北西方位でずが、最近では、北の壬方位や癸方位も使いますし、建物から距離がとれれば、南西の裏鬼門をはずして南方位に配置することもあります。ポイントは、両鬼門と家族の十二支方位をはずすことです。最近の浄化槽は、汚水と雑排水をいっしょに処理する合併浄化槽のタイプになっています。以前はずいぶん大きかったですが、最近は小型化され、埋設するスペースも確保しやすくなりました。カーポートの下に配置することもできます。浄化槽は、車の下に置いても問題ありません。
汚水管や浄化槽は、外まわりの家相の大きなポイントで、健康を左右します。施主の考えを無視して、施工業者が勝手に配管してしまうことが多いので、最後までチェックを怠らないことです。
家相建築設計事務 佐藤秀海