北方位にはいくつか種類があり、家相学では、磁石の示す「磁北」(じほく)を用います。ただし、建築基準法など建築に関する法律では、地図上に表示された真北を用いるので、この点には注意が必要です。
また、測量図や平面図などの図面に表示されている北も、磁北か真北なのか区別がなく、どちらの北にしても正確ではないケースもあるので要注意です。
詳しくは、『【実践できる家相建築の知恵―12】家の中心からみて、正しい磁北を知る事が前提。』をご参照ください。
家相学上の中心は重心です。重心とは、釣り合いが取れる質量の中心点を指します。また、重心を取るためには、どこまでを建物として考えるのかを理解する必要があります。
例えば、サンルームのように周囲を囲っているものは建物の一部とみなしますが、バルコニーやウッドデッキなどは建物には含めません。
詳しい中心の取り方などは、『【実践できる家相建築の知恵―18】家相は建物の中心を正しく出し、正確な磁北で吉凶を判断する。建物の凹凸を含めた重心を使用する。』をご参照ください。
新築の時期や引っ越しの方位など、気学をはじめ、いくつかの運命学で吉凶を判断します。とことんこだわりたい場合には、料金を払ってでも、専門家に相談するのがベストです。素人程度の知識では、時期や方位が限定されて、家族がパラパラに仮住まいすることにもなりかねません。
ちなみに私は、「最悪を避けること」を基本と考えているので、ほとんどの相談者には、できるだけシンプルにアドバイスしています。こだわり過ぎると、時期を逸して吉相の土地が手に入らない残念なことも起きるのが理由です。
まずは、皆さんがどこまでこだわりたいのかを選択してください。ここが決まっていないと、トラブルのもとになってしまいます。
家相を大切にしたいと思う人の中には、家相によって体調を崩した経験を持つ人が少なくありません。新築やリフォーム、引っ越しを機会に体調を崩す人が多いのは、家相が影響していると考えることが自然だと思います。
その場合、家相の影響は早ければ半年ほどで、遅くても2年から3年程度で顕著になることが多いようです。
ただし、家相の影響で体調を崩したなら、その家相を良くしてやることによって体調も回復します。
そんな実例もたくさんあるので、あきらめずにできることから取り組んでほしいと思います。
『【実践できる家相建築の知恵―36】十二支方位は家族の健康に関連する個人的な方位。それぞれの家族の生まれ年によって変わってくる。』も参考にしてください
建築士や工務店など、建築のプロに依頼する場合には、皆さんが家相についてどこまでこだわるかをはっきり伝えることが大切です。大切に考えているなら、その思いを建築士や施工業者にしっかり伝えてください。
皆さんの熱い気持ちにこたえられない建築士や施工業者なら、そもそも良い家などできるはずはないと思います。建築の専門家なら、家相の本を1冊真剣に読めば、それなりの知恵もつくはずです。
ご自分で間取りを作る場合には、玄関と建物の形を最初に決めてください。
『【実践できる家相建築の知恵―30】プランニングのコツは、まず玄関の位置を決めること。 玄関の配置がうまくいけば、間取りはスムーズに決まる』と『【実践できる家相建築の知恵―32】最初に家の形を決め、それからゾーニングをする。長方形などのシンプルな構えが家づくりの基本。』が参考になると思います。
家相学は、皆さんが幸せに暮らすためにある学問なので、もちろん、周辺環境や建物の配置にもポイントがあります。
基本は建物の東側と南側に空地を設けて、採光と通風を良くすることです。そこにお庭やカーポートなどを設けることになります。
カーポート程度ならそれほど心配ないのですが、車庫になると話が違います。建物から離し、設置できる方位も限定されてしまいます。
家の内部に車庫を設けるビルトイン車庫は特に危険です。
『【実践できる家相建築の知恵―47】建物は敷地の北西側に建てるのが基本。建物の採光と通風がよくなり、土地も活性化する。』もご確認ください。
階段は建物の主要構造物の一つでもあり、家相学上でも、とても重要です。一番大切なポイントは、建物の中心から離して設置すること。建物の外周面に沿って配置するのが無難となります。こうすると、階段にも窓が取れるので、家のイメージも明るくなります。
『【実践できる家相建築の知恵―37】階段は家の外周に沿った場所に設置するとよい。壁面に窓をとって、明るくすることも吉相のポイントだ。』を参考にしてください。
中央階段は、事故やけがなど大きなアクシデントにつながりかねません。また、リフォームによって移動するのも困難なので、要注意です。
家の外のことであっても、トイレの汚水や浴室・キッチンなどの雑排水の経路にも注意が必要です。ポイントは、汚水管は最短距離で建物の外に出し、玄関前を横切らせないこと。汚水管の上をまたいで玄関にアプローチすることは厳禁です。
『【実践できる家相建築の知恵―51】汚水管は建物の下を通さず、玄関前も横切らせない。浄化槽は鬼門方位や家族の十二支方位を避ける。』を参照してください。
点検用のマスの方位については、特に心配することはありませんが、浄化槽は無難な方位に配置する必要があります。
家相学上では、門扉を設けて道路や隣地からの出入りを限定し、塀やフェンスなどで周囲を囲むことは大切とされています。
また、最近では、門扉や塀などを設けないオーブン外構の建物もよく見かけますが、植栽などによって敷地への出入りが限定されていれば、大きな心配はありません。
敷地を囲むフェンスや植栽の高さは、1200~1400程度までで、人が簡単に侵入できない高さがあれば十分です。
詳しくは、『【実践できる家相建築の知恵―49】門やフェンスなどの塀も、家相上は大切なポイント。 敷地や家のまわりを塀や生け垣で囲むと吉相。』をご覧ください。
縁あってお祀りしてあるお稲荷様や氏神様は、人間の都合で簡単に動かすことはできません。
ただし、それなりの手順を踏んで時間も手間もかければ、動かす方法もあります。今まで通り、崇敬の思いを込めてお祀りされるのが最良ですが、諸般の事情で粗末にせざるを得ない時には、神社や寺院に相談されて、対処方法を決めてください。素人判断で軽はずみな対処は厳禁です。
『【実践できる家相建築の知恵―54】お稲荷様など、敷地内の神社の扱い方は慎重にする。家の中心ではなく、敷地の中心から方位を判断する。』を参考にしてください。
また、井戸や池の対処についても、注意が必要です。
こちらも、『【実践できる家相建築の知恵―53】井戸や池の扱いは厳密に決められている。家相建築でも 決まり事にのっとって判断しなければならない。』を参考にして、慎重に対処することをおすすめします。