社団法人家相建築設計推進協会

【実践できる家相建築の知恵―12】
家の中心からみて、正しい磁北を知る事が前提。

【実践できる家相建築の知恵―12】家の中心からみて、正しい磁北を知る事が前提。

北には、いくつかの種類があります。建築基準法では、地図上の北、真北を使います。新築の際、役所に提出する図面は、すべて真北で表示をしなければなりません。家相上では、磁石で測った「磁北」を使います。真北と磁北には差があって、真北よりも磁北が、西へ傾いています。真北と磁北の差は、日本全国で異なり、東京では7度、北海道から沖縄まで、10.10度から4度程度の差があります。掲載の表で確認してください。hensa

従来の家相では、真北を基準とする考えもあるようですが、現代家相では、磁北を使います。真北ではないので、誤解のないように。

正しい磁北を知る方法はいくつかありますが、敷地や家の中で、磁石を使って測る方法が一般的です。テレビに登場する風水の専門家も「羅罫盤」と呼ばれる磁石を使って、方位を判断しています。自分で磁北を測ることは、結構大変で、地面に直接置けば、地磁気などによって磁力が狂うこともあります。近くに電線がある場合や、エンジンをかけた車が駐車しているだけでも、多少は狂うものです。家の中では、もっと測りにくいです。家具や電化製品がなくても、釘や建築金物の影響によって、 磁力が狂いやすいです。比較的、測りやすい環境なのが和室です。室内では、和室で磁北を測るとよいでしょう。

自分で磁北を測ることが難しいので、どうしても、建築会社や建築士の書いた図面の北を信用しているようですが、必ず自分で確認して頂きたい。ほとんどの場合、真北とか磁北とかの表示もないし、多少のずれもあるケースが多いです。この方位を信用して建築をしてしまい、建ててから大変な思いをしたお施主さんも数多くいます。

北関東に住むBさんは、両親の敷地を分筆して自宅を新築しました。会社の同僚との結婚が決まり、それを機に新築することになりました。両親のアドバイスもあり、家相についても十分検討して建築し、無事に新居での新婚生活を始めることになりました。ところが、しばらくしてから奥さんの体調が悪くなりました。奥さんだけでなく、自分の体調も悪くなりました。それでも、しばらくはそのままで過ごしていましたが、ある日、火事で新居を全焼してしまいました。幸い、お二人にはけがもなく、隣近所にも迷惑をかけることもありませんでしたが、お二人とも相当のショックを受けてしまいました。

元気を取り戻し、新築の準備を進めてみると、今まで正確だと思っていた磁北が、相当狂っていたことが判明しました。これなら、以前の体調不良についても説明がつきます。Bさんは「火事になったことは、ショックでし たが、あのまま家相の悪い家に住んでいたら、命がなかったかもしれない。火事になったおかげで、安心して暮らせる」という考えに変わったそうです。

測量士や土地家屋調査士が作成した測量図にも、必ず北が表示されています。この北も、残念ながら、磁北とか真北の表示をほとんど見かけません。測量図には、作図者の電話番号も表示があるので、問い合わせることもありますが、なかには、磁北と真北の違いがわからないスタッフもいます。「この磁北は正確ですか?」とたずねても、ほとんどの場合、はっきりした回答がありません。「作図の際に、ずれがあるかもしれない」とか「多分、正確だと思う」程度の回答が実情です。家相では、家の中心から見て正しい磁北を知ることが基本中の基本。北が間違っていては、プランニ ングも何もありません。どこが鬼門で、どこが自分の十二支方位なのかわからなければ、家相になりません。正確な真北がわかれば、磁北に修正して使えばよいです。とにかく、正確なものを手に入れてほしいと思います。

磁北は、自分で測っても、正確なものを知るのが難しく、建築会社や建築士の書いた図面に表示されていても、正しいとは限りません。磁北と真北の遠いもあるので、手間がかかっても、正しい磁北を知る努力を怠ってはいけません。

家相建築設計事務 佐藤秀海

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