リフォームと家相は関係が深いです。リフォームというと、ほとんどがキッチンや浴室、トイレなどの水まわりに関連して、古くなった設備を入れかえることや、位置を変えてしまうことが多いと思います。家相では、キッチンやトイレなどの水まわりを「不浄物」として大切に考えているので、リフォームの際には、ぜひ家相上のコツを知っておいてほしいと思います。家相相談会などのイベント講師として招待される場合も、主催者がリフォーム業者であることが多いです。水まわりの移動が多いリフォームでは、施主も家相に対する興味が強く、要望が多いようです。その意味では、新築よりもリフォームのほうが家相の考えを取り入れやすいのかもしれません。
キッチンをリフォームするときは、ガスレンジなどの火気の位置に要注意です。I型のシステムキッチンを使う場合には、ガスレンジと流しの位置を交換きるので、左右を入れかえるだけで、無難にすることもできます。ガスレンジをIHヒーターにすることも、家相上有効です。トイレのリフォームでは、トイレのブースを広くして、トイレ内に洗面器具や物入れを設けることが多いです。せっかくリフォームするのですから、今までのトイレよりも広くしたいと希望する人が多いからですが、その気持ちはわからなくもありません。もちろん、方位が無難であれば、トイレの大きさを広げてもいい のですが、トイレを広げることは、家相上、危険なゾーンを広げることにもなるので注意が必要です。私が手がけるリフォームでは、今まで洗面スペースを含めた広いトイレブースだったものを、トイレと洗面コーナーにセパレートすることで、無難にで きるケースが多いです。家相建築の考えでは、トイレの 広さより、あくまで方位が優先なのです。浴室のリフォームでも、ちょっとした工夫で危険を少なくできるケースがあります。家相上では、浴槽の位置で吉凶を判断しますが、縦に置いていた浴槽を横に置いただけで無難になったケースや、洗い場と浴槽の位置を交換したケースもあります。もう少し手がかかりますが、洗面脱衣室と浴室の位置を人れかえたこともりました。家相の知恵を知っておくと、同じ予算のリフォームでも、中身が違って無難になるのです。
リフォームでは、ガスレンジと流しの位置を交換することや、浴槽の置き方ひとつで家相の吉凶が変わり、ちょっとした工夫がポイントになります。新築の段階で、リフォームのことまで考える人は少ないでしょうが、ガスレンジと流し台の位置とか、浴槽の置き方、トイレと洗面所を別々にするなどは、新築の段階で考慮しておくのが理想的です。プランニングの段階でできていれば、リフォームの際に考える必要もありません。なんでもそうですが、初めが肝心です。プランニングの段階でそこまで考えていれば、リフォームでは予算を有効に使うことができるでしょう。
家相建築設計事務 佐藤秀海