建物の中心と磁北がわかれば、平面図の中心に方位盤の中心を合わせて、家相を判断します。家相を判断するためには、この方位盤の見方と使い方を知らなければなりません。 方位盤とは、家相を判断するための道具で、そのために全方位360度を45度ずつ8つに分け、北・北東・東・東南・南・南西・西・北西に区分し ています。これを「八方位」と呼んでいます。この八方位を、家相の場合さらに子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)の「十二支方位」と甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)の「十干方位」で分類し、全方位360度を十二支と十干で分類したものを「二十四山方位」と言います。全方位を二十四の方位に分けるので、一つの方位は15度ずつ、八方位の一つは45度なので、一つの八方位をさらに三つに分類しています。この分類を示しているのが「二十四山方位盤」です。 方位盤を見ますと、方位盤の一番外側が24に分かれていて、そこに子・丑・寅などと表示されています。それが十二支方位と十干方位です。 その内側も、八つに分類されています。北の45度範囲を一 白水星(いっぱく)・北東の45度を八白土星(はっぱく)・東の45度を三碧木星(さんぺき)・東南の45度を四緑木星(しろく)・南の45度を九紫火星(きゅうし)・南西の45度を二黒士星(じこく)・西の45度を七赤金運(しちせき)・北西の45度を六白金星(ろっぱく)・中央部分は五黄土星と呼んでいます。 そして、北と南、東と西の真ん中を走っている線 を「正中線」、北西と東南の真ん中を走っている線を「四隅線」と呼びます。従来の家相では、この正中線・四隅線も重要なポイントとして大切にされていました。玄関やガスレンジ、トイレ、浴槽や窓をこの線が貫くことも凶相とされ、門扉や井戸、汲み取り槽や浄化槽などの外まわりの家相でも凶相とされて、避けられていました。家相建築では、 正中線や四隅線が窓を貫いていても無難と考えます。線が貫くことよりも、室内の採光や通風を大切に考えているからです。 北東方位の45度範囲を 「表鬼門」、南西方位の45度範囲を「裏鬼門」と呼びます。表鬼門を「男鬼門」、裏鬼門を「女鬼門」と呼ぶこともあります。鬼門方位の中心を貫く線を「鬼門線」と呼び、正中線・四隅線も扱いが難しいですが、この鬼門線の扱いが一番難しいです。鬼門線が玄関や門扉、勝手口など、すべ ての出入り口にかかってはだめで、鬼門線のかかっている窓から出入りすることも凶相とされています。ガスレンジやトイレ、浴槽、ストープや茶道の炉にいたるまで、火と水に関するすべ てに注意をし、鬼門線上に置いてはいけません。 建物の中心に方位盤の中心を合わせ、磁北に北の正中線を合わせる。そうすることで建物の中心からの各方位を知り、その方位と玄関や火と水に関連する不浄物の配置を判断します。これが家相の基本です。
家相建築設計事務 佐藤秀海