一階の平面図を見て下さい。ほとんど凹凸がないシンプルな長方形です。玄関部分が少々出っ張っています。これは、小さくても吉相の張りで建物の中心を出すときは、この部分も含めて考えます。お施主さんの要望もあり、このプランには出窓をつけていませんが、出窓があっても建物の面積には含めなくても構いません。テラスやウッドデッキも同様に考え、建物の一部とは判断しません。建物の面積は、基礎の外周部分で判断するので、基礎があり、壁があり、屋根があって、はじめて建物と判断します。出窓やテラス、ウッドデッキやバルコニーなどは すべて建物の一部とは判断しなくてもよいのです。ただし、出窓に地袋がついて床まである場合や、バルコニーの一部をサンルームのように囲っている場合は、建物の一部と考える場合もあるので、注意して下さい。
中心を出すためには、いくつかの方法があります。一番ポピュラーなのは、平面図を厚紙にのりづけし、切り抜いてバランスをとる方法。家相上の中心は、重心と考えるので、バランスのとれる場所を家の中心と考えます。このケースの場合は、東の張りが小さくて、バランスをとっても重心がわかりにくいですが、平面図を大きめに拡大すれば、正確な中心がわかるはずです。家相建築では、二階の家相を判断する場合にも、一階の中心から判断をします。一階の中心から見て 無難な方位に二階のトイレなどを配置します。このプランでも、二階にトイレがありますが、すべて一階の中心から見て判断をしています。また、建物の構えも一階で判断します。大地に根を下ろしている一階の構えが何より大切なので、二階には張りも欠けもないと判断します。
家相建築設計事務 佐藤秀海